ブラジルにおける新型コロナの現状 その6
感染者も死亡者も激減!
今年の半ばには大きく感染爆発し(悪い意味で)世界にその名を轟かせたブラジルですが、ここ数ヶ月はずっと感染者数が減り続け、今は新規感染者1万人前後、死亡者200人台で推移しています。ピーク時にはそれぞれ10万人前後、4000人だったことを思うと隔世の感があります。
市民生活も落ち着きを取り戻し、商店は通常営業に戻っていますし、各種イベントなども普通に開催されるようになってきています。
世界各国で切り札のワクチン接種が進んだこともあり楽観論も出てきました。ブラジルでも必要回数のワクチン接種を終えた人の割合は60%を超えています。
しかし、ここにきてブラジルと同様にワクチン接種が進んだヨーロッパで再び感染爆発が起きており、一気に先が読めなくなってきました。
それでも楽観的に考える理由
ここからは僕の推論です。
おそらくブラジルではヨーロッパのような再拡大が起こることなく、このまま沈静化していくのではないかと思っています。それはワクチンではなくコロナ感染による集団免疫が構築されているのではないかと考えているためです。
ブラジルの累計の感染者数は2200万人で、統計上は全人口のおよそ10%に相当します。ところがそれは目に見える症状がでて検査を受けた人の数字にみであり、その背後には多くの統計に現れない感染者がいるはずです。
まずは、症状が出ず検査もしない感染者。これだけで統計の数字の数倍に上るはずです。また、接触者に検査を受けさせるということもブラジルではほぼ行われていませんでした。
次に、日本や欧米では感染者は病院隔離が原則でしたが、ここブラジルでは重症化しない限り自宅での隔離が原則でした。こうなると、コロナは感染力が強いのでほぼ家族全員が感染してしまいます。こうして家庭内で感染しても、症状が出ない場合はもちろん、症状が軽い場合も検査すら受けずに自宅で安静にして過ごす人が多かったと思います。実際に、そういう人が身の回りにも何人かいます。つまり、彼らの殆どは統計に表れないのです。
以上のことから、おそらくブラジル全人口の60%近くがコロナ感染による免疫を獲得しており、集団免疫が構築されているのではないかと僕は推測しています。
もちろん、この先感染者数が再度ある程度増えてくる可能性は否定できません。これからクリスマス休暇、年末年始、カーニバルと人が集まる機会が連続するからです。しかし、今年半ばのような大規模な感染爆発はもう起こらないのではないか。(多少願望も入っています。外れたらごめんなさいw)
ブラジルはコロナ禍で60万人以上が亡くなるという大きな犠牲を出しましたが、それにより、世界に先駆けてコロナを克服しつつあるのはなんとも皮肉なものです。