化粧品の嘘

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化粧品は幻想やイメージを売る商売。消費者は皆、過剰な広告によってクリームが“肌の奥まで浸み込む”と思い込まされてきた。化粧品の効果というのは100%使用者の主観なので、こういった誇大広告を招きやすい。また消費者である女性達には若返りたい、綺麗になりたいという願望があり、簡単に信じこんでしまうのも問題だ。

科学のメスによってこういった我々の「思い込み」が矯正されるのは好ましいこと。化粧品業界には打撃だろうが、こういう知見がもっと広がってゆくことに期待したい。

高級なアンチエイジング用フェイスクリームを毎晩人知れず顔に塗りこみ、時の流れに少しでも逆らおうと涙ぐましい努力をしている女性に悲報だ。英バース大学の研究により、“肌の奥まで浸み込む”と謳われているこれらのクリームは、実は一切肌の奥などに届いておらず、どんなに小さな“ナノ粒子”であっても肌の表面には浸透していないことがわかった。

同研究を行ったRichard Guy教授によると、一般的な化粧品に使われている粒子は、人間の髪の毛の100分の1ほどの大きさだそう。そこで、20~200ナノメートルの大きさのポスチレンビーズに蛍光タグをつけ、肌に浸み込むかどうかを共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、これらのビーズは角質層と呼ばれる表皮の一番外側の層にさえも浸透することはできなかったという。

「クリームの粒子が肌に入り込むといった魔法のようなことはまず起こらない。理由はただ単に、粒子が大きすぎるから」とGuy教授。藁にでもすがる気持ちで高級クリームを使っていた女性たちはさぞかしガッカリしているかもしれないが、逆に言えば、日焼け止めなど有害だとされている原料が体に取り込まれることもない、ということなのでそちらは安心して使えるようだ。

出典元:Mail Online