エイズ治療の飲み薬で感染も予防
原因不明・不治の病といわれたエイズも、現在ではかなり克服されつつあるようです。
現在、抗HIV薬は様々なものが開発され、著しい発展を遂げてきている。ただ完治・治癒に至ることは現在でも困難であるため、抗ウイルス薬治療は開始すれば一生継続する必要があります。
全世界でのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は5千万人に達すると言われており、日本でも年々増加する傾向にあります。治療と同様、感染予防の重要性は日ごとに増しています。
ちなみにプロポリスにも免疫力を高める作用があります。なんとかエイズの予防/治療に応用できないものでしょうか。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は2011年7月13日、エイズ治療用の飲み薬の服用でエイズウイルス (HIV)感染が6割から7割予防できることが明らかになった、と発表した。アフリカでは全国民うちの何割もの人がHIV感染している国があり、感染の防止策が緊急の課題になっている。
米国ワシントン大学グループの臨床試験は、東部アフリカのケニアとウガンダの4758組のカップルで行われた。どちらか一人はHIV陽性で、もう一人は陰性というカップルを選んだ。避妊具使用のうえ、陰性のパートナーは、1日1錠の抗ウイルス薬テノフォビルを飲むか、テノフォビルとやはり抗ウイルス薬のエムトリシタビンの合剤を服用するか、または偽薬を飲むか、の3通りに分けられた。その結果、感染は合剤群で73%、テノフォビル群で62%、いずれも偽薬グループに比べて減少したという。
米国疾病管理センター (CDC)は、南部アフリカのボツワナの1200組で同様の臨床試験を行った。偽薬群に比べてテノフォビルとエムトリシタビンの合剤群は感染を63%減らせた。いずれの試験でも、男から女、女から男、両方で感染防止ができた。
3300万人といわれるHIV感染者のうち、半数は感染を知らず、結果的にウイルスの拡散、エイズの拡大を招いていると見られる。2つの国連機関はアフリカ諸国でのHIV検査の普及を進めており、予防薬に期待する両事務局長の談話を発表した。
テノフォビルとエムトリシタビンはいずれも逆転写酵素阻害剤と呼ばれる抗レトロウイルス薬で、欧米ではエイズとB型肝炎の治療薬、日本でもエイズ治療薬として使われている。合剤の安価なジェネリック製品も世界中で売られているという。
J-CASTニュース 2011年7月28日