The Stranglers - アルバム「Feline」より -
身内に不幸があった。
その人は、パンク・ニューウェーブなどのブリティッシュ・ロックが大好きで、多感な青春時代に僕も大きな影響を受けた。中でも心酔したのはストラングラーズ(The Stranglers)というバンドで他の多くのバンドとは一線を画していた。1977年のデビューからしばらくは骨太のパンクロックバンドだったが、その後徐々に独特の耽美性とインテリジェンスを感じさせる音楽性を開花させていった。
1983年に発表されたアルバム『黒豹 - Feline』 はその音楽性が頂点を極めた時期に発表されたもので、当時の僕は夢中で聞きまくっていた。その中から数曲を紹介したい。
European Female(ヨーロッパの女)
当時はまだEU (European Union)ではなく、もっと緩い経済連合であるEC (European Communities)だったが、そのころからヨーロッパ諸国の人々の間ではヨーロッパ人としての意識が芽生えていた。閉塞した状況の中で、ユーロは希望だった。ストラングラーズは、希望に満ちた”ヨーロッパ主義”を音楽に反映させ表現していたのだ。そういった時代の空気をこの曲に感じることができる。
Midnight Summer Dream(真夏の夜の夢)
シェイクスピアの有名な作品タイトルをモチーフにしたこの曲は、深い精神性とインテリジェンスを感じさせる名曲だ。内省的な詞が哲学的ですらある。デイヴのキーボードが味わい深い。
1985年アテネ(ギリシャ)でのライブ映像
このライブ映像では、ストラングラーズ絶頂期の演奏を観ることができる。ヒュー・コーンウェル (Hugh Cornwell)の甘い声、ジャン=ジャック・バーネル (Jean-Jacques Burnel)の唸るようなベースと裸踊りw、デイヴ・グリーンフィールド (Dave Greenfield)のリリカルなキーボード、ジェット・ブラック (Jet Black)のタイトなドラム。どれをとっても素晴らしい。
- Midnight summer dream
- The European female
- Golden brown
2曲目まではアルバム「Feline」より、3曲目は少し遡るがこのバンドを代表する名曲だ。
Paradise(パラダイス)
メロウなリズムに乗り「Paris、London」と女性が呟く。このアンニュイな感じが堪らなく好き。「楽園か?廃墟か?」それは自分次第なのだ。
どうか、夢(Midnight Summer Dream)であったら醒めてくれ。
Maybe I'll never find him
Midnight summer dream by Stranglers
Maybe he's gone forever
Maybe I'll have to sit here
Watching the weather
この投稿を彼に捧げます。