ブラジル地方選挙:悲喜こもごも
10月7日はブラジル地方選挙(市長選挙+市議会議員選挙)でした。
選挙は日本でもそうですが、ここブラジルでも各候補者は必死の形相で選挙戦を戦います。そして勝敗が決した後には、勝った側も負けた側も様々な人生模様がみられます。そんなブラジル地方選挙2012の悲喜こもごもをお伝えします。
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●地方選挙で落選した元市会議員が首吊り自殺(リンク切れ)
まるで大学入試に落ちて自殺する日本の高校生のよう。こういう人は珍しいけど、ブラジル人はいつも陽気で楽天的とういのもステレオタイプですね。
●これぞ、本物の美人すぎる市会議員
18歳になったばかりのJayanaさん。7つの大学入試に合格した直後の選挙戦でした。天は二物も三物も授けた一例です。父親も元市議ですが、”地盤を引き継いだ”って感じではなありません。ちなみにブラジルの被選挙権は18歳からです。
●当選直後に心臓発作で死亡
バイーア州の小都市で見事当選を果たしたDominguinhos氏。開票後の祝勝会の最中にケンカがあり、それを止めに入った直後に心臓発作で死亡。天国から地獄とはまさにこのこと。合掌。まぁ、いろいろあるもんです。
●元路上生活者が市会議員に当選
"信号の黒んぼ"の異名を持つ元路上生活者のJosé Carlosさん。マトグロッソ州Sinopの市会議員に当選しました。彼は「そもそも議員の仕事が何なのかよく分からないが、神様のご加護があれば問題は解決するだろう。」と述べているようです。大丈夫でしょうか?
●現職市長が落選して市職員を大量解雇
ゴイアス州Trindadeの市長選挙で敗北した現職市長のリカルド氏。落選した翌日から、公立学校や病院などの市職員を大量解雇して市は大混乱に陥っているようです。彼は「組織改革の一環だ。」と強弁しているようです。
●勝利パレードの最中に心臓発作で死亡
サンパウロ州Pedra Belaの市長選挙で勝利した日系人のJorge Hirodi Orita氏。11日に行われた勝利のパレードの最中に心臓発作で亡くなりました。合掌。
●市議会場がゴミ捨て場に(リンク切れ)
サンパウロ州Votorantim市にて、大量の選挙ビラが市議会場の入り口に捨てられているのが見つかりました。選挙運動でばら撒かれる大量のビラが街を汚染しているとしてFacebookで呼びかけられた抗議行動のようです。
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以上、これでもかというくらい、いろんな事件がありました。
当選直後に不幸にして亡くなられた方がいらっしゃいますが、これはブラジルの選挙では風物詩的なものです。日本でもお正月にモチを喉に詰まらせて亡くなる老人が後を絶ちませんが、似たようなもの。ブラジルの食事は肉食で高カロリーの上、塩分が多く、あまり健康的ではありません。だから高血圧や高脂血症などの心臓疾患を抱えた人の割合が高く、感情の昂ぶりが即、心臓発作につながるのです。
【個人的な所感】
毎度のことながら、ブラジルの選挙は誰が当選しようが泥棒[税金を山分けする人達]を国民が選挙で選んでいる感が半端ない。日本の決められない政治も問題だが、決定力のある政治は夥しい「汚職」を生む。そしてシステムを変える側の人間が金まみれでは何も変わらない。
でも当のブラジル人に危機意識は微塵もない。極論すればシュハスコ(ブラジル風バーベキュー)でビール飲んでサッカー観戦していれば幸せで他のことはどうだっていい、というのがブラジル的人生観。長年住んでいると、これはこれでアリかもしれないと思うようになりました。どうせ短い人生、しかめっ面して生きるより余程ハッピーには違いない。