ブラジルの歴史と政治
ポルトガル人のブラジル発見からボルソナロ政権の現在までを俯瞰的に解説した動画を紹介します。
歴史とは、文字で記された物語のことです。文字に記されなければ、それは歴史とは言えません。
日本(倭国)の歴史は中国の史書に記されたことにより始まります。ブラジルの歴史が西暦1500年のカブラルによるブラジル発見からとなっているのもそういうことです。それ以前に、実際にそこに人が住んでいたとしても、文字がなければ何も知りようがないのです。
わずか500年ほどの短い期間ですが、それでもブラジルにはダイナミックな歴史がありました。ポルトガルの植民地から独立、帝政、共和制を経て、ファシズム、軍政、ポピュリズム、そして現在に至ります。アルゼンチンやパラグアイとの間には戦争もありました。
歴ログさんのこの動画は、そういったブラジルの歴史を俯瞰し、大まかな流れを理解するのにもってこいです。
ブラジルに興味のある方はぜひご視聴ください。
目次は次の通りです。
- ポルトガル人のブラジル植民地化
- 逃亡奴隷の王国キロンボ
- ブラジル帝国の成立
- 地方分離の試み
- 奴隷制に関する議論
- 南米大戦、パラグアイ戦争
- 共和制ブラジルの成立
- 国際的な存在感の高まり
- ブラジル・ナショナリズムの形成
- ヴァルガス独裁体制「エスタード・ノーヴォ」
- 左翼ポピュリズム政権時代
- 軍人の親米保守政権時代
- 深刻な格差問題への取り組み
- 経済政治改革への期待
いちばん印象に残ったのは「軍部」の影響力の大きさでしょうか。帝政から共和制への移行など、国の発展のためにブラジル史の要所要所で決定的な役割を果たしてきたんですね。日本における軍部のネガティブなイメージとは大きく異なります。ブラジルにおける軍人のステータスの高さも納得できます。
1967年~1985年にかけての軍事独裁政権時代を懐かしむ高齢者がかなりいるのが不思議だったんですが、その謎も解けました。そういった軍政へのシンパシーが今のボルソナロ政権へとつながっているわけですね。
ブラジルは良くも悪くも、日本のように政治的に安定した国ではありません。右へ左へと常に揺れ動いています。
今年10月には大統領選挙が控えています。この国の持つダイナミズムを少し心配しながら見守っていこうと思います。