なでしこJAPAN 優勝おめでとう!

サッカーの国、ここブラジルでは女子ワールドカップといえどもブラジル代表の試合と準決勝、決勝は地上波でも放送される。

昨日の女子ワールドカップ決勝、日本XアメリカをTV観戦。日本のサッカー史に残る名勝負だった。

我を忘れるとはまさにこのことで、日本の得点シーンでは近所に響き渡るような大声で絶叫している自分がいた。近所の人たちのほとんどは、同じ時間帯のコパ・アメリカ、ブラジルXパラグアイ戦を観ていたはずで、ブラジルの得点シーンでもないのに近所の誰かが絶叫しているのを奇異に思ったことだろう。

日本の優勝が決まった瞬間、年甲斐もなく泣きながら(もちろん絶叫しながら・・・)かみさんと抱き合って喜んだ。まさか女子サッカーで泣く羽目になるとは。試合前には全く想像すら出来なかった。それくらい感動的な試合展開、そしてフィナーレであった。

スポーツでこれほど感動したのは本当に久しぶり。日本代表女子チームには、心から「ありがとう」と言いたい。

日本女子のW杯優勝は、ブラジルの新聞でも大きく取り上げられた。

正直に告白すると、試合を観ていて一つのことが頭に浮かんだ。

アメリカの圧倒的な攻撃力を前に、たとえ点を取られても粘り強く耐えに耐え、数少ないチャンスをものにし、最終的にはアメリカに勝つ。何かに似ていないだろうか?

・・・そう、太平洋戦争だ。

あの戦争時代の多くの国民が、劣勢に絶えながらもこういう展開になり、いつかは神風が吹いてアメリカに勝つことを心の底から願っていたのではないだろうか。

圧倒的な兵力にものを言わせ、攻め続けるアメリカ軍。少しづつ退却しながらも粘り強く耐え、奇襲作戦に活路を見出さんとする日本軍。しかし戦争は殺すか殺されるかの真剣勝負。奇跡は起こらなかった。

おそらくこういったことが日本人のDNAの何処かに深く刻まれていて、それが今回の勝利で凄まじいカタルシスを我々日本人にもたらしたのではないか。

冷静になって考えると、アメリカ代表チームの戦力は日本代表チームのそれを遥かに凌駕していた。日本が勝負に勝ったのはまさに"奇跡"であった。そのことをきちんと認識し、今後強化していく必要がある。本当の実力が試されるのは来年のロンドン五輪なのだから。

アメリカ代表GKホープ・ソロ選手が「日本選手は何か試合より大きなもののためにプレーしている。難しい対戦相手」と語ったように、今大会の日本人選手たちは神がかっていた。もし今年3月の東日本大震災が起こっていなければ"奇跡"も起こらなかったのだと思う。

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