グリーンプロポリスの原料
プロポリスは、樹脂を分泌する植物の芽などから蜜蜂(Apis Mellifera)が採集した樹脂性の物質で、植物のさまざまな部分の分泌物や滲出物で構成されており、ミツバチによりミツロウと混ぜられある一定の硬さを持つ物質となります。蜜蜂たちは自然界の敵などから蜂の巣を保護する目的でプロポリスを活用しています。
どこでグリーンプロポリスは生産されているのか?
アレクリン(Baccharis Dracunculifolia)が起源となっているグリーンプロポリスは主にブラジル国南東部、ミナスジェライス州で生産されています。プロポリスの色は通常、茶褐色ですが、この地域で生産されるプロポリスは鮮やかな緑濃褐色であることから、グリーンプロポリスと呼ばれるようになりました。
なぜミナスジェライス州はグリーンプロポリスを生産するのか?
ミナスジェライス州の植生は非常に異質で、無数の荒地や手つかずの領域が見られます。こられは非常に多種の植物が存在することを意味し、蜜蜂にとって蜜や花粉、その他の分泌物の非常に重要な供給源になります。
2次遷移地帯*では、アレクリン(Baccharis dracunculifolia)が準主要植物として自生しているのが観察できます。
顕微鏡分析よると、グリーンプロポリス中、同植物の断片量の全体における割合、蜜蜂の持ち運ぶ花粉篭の状態等を考慮すると、アレクリンは蜜蜂にとって主な樹脂の供給源であり、ミナスジェライス州のグリーンプロポリスの形成において重要な植物であるといえます。
*2次遷移地帯:かつてあった植物群落が崩壊して,裸地またはそれに近い状態の地域におこる群落の移りかわり。森林伐採地・休耕地・山火事の跡などに始まる遷移がその例。遷移が始まる前にすでに多少の生物が存在することが特徴。
グリーンプロポリスの起源となる植物
アレクリン(Baccharis Dracunculifolia)は雌雄異体の潅木(雄花、雌花それぞれが独立して存在する)で、栄養素が少ない土壌浸食地に適応します。このように栄養素が制限されている場合、植物は栄養やエネルギーを成長または防御のどちらに投入するのかを選択します。
栄養素の不足は成長を制限することから、それらの成長率の低い植物は2次代謝物質を豊富に生産し、草食昆虫に対する防衛力を高めます。このことから、侵食地帯で成長の遅いアレクリン(Baccharis Dracunculifolia)は、それぞれ違う種の細胞に蓄えられる2次代謝物質の生産量が豊富であるといえます。それらのイソプレン系化合物はモノテルペン、ジテルペン、モノテルペン、ポリテルペン等です。
野生のアレクリンはプロポリスの起源植物を特定するために有用である植物構造のマーカー(腺毛、非腺毛、植物構造の断片)を持っています。
どのような樹脂を採集するのか?
蜜蜂が植物にやってきて樹脂を採集する際、葉の断片、腺毛、非腺毛、シュウ酸カルシウムの結晶、分泌ディスク、花粉粒など訪問植物の特定を導く物質を一緒に持ち帰ります。ミナス・ジェライス州産グリーンプロポリスの起源植物は、顕微鏡分析により、その沈殿物にアレクリン(Baccharis dracunculifolia)の腺毛、非腺毛、表皮断片、花粉粒などが高頻度に見られました。
顕微鏡分析により、蜜蜂の花粉篭で見られた植物断片は、アレクリンの植物断片と確認されました。
植物解剖学によりグリーンプロポリスの沈殿物を顕微鏡分析した結果、アレクリン(Baccharis dracunculifolia)の断片のみが見られたことを確認しました。
アレクリン(Baccharis dracunculifolia)は、グリーンプロポリスの起源植物を特定するために有用である植物構造のマーカー(腺毛、非腺毛、茎頂の表皮断片)を持っています。
グリーンプロポリスの顕微鏡分析
ミナスジェライス州産グリーンプロポリスの花粉スペクトルでは、Astronium、Eucalyptus、Vernonia polyanthes、Baccharis dracunculifoliaなどの花粉粒を見る事ができ、これらはそのプロポリスの地理的な産地特定を可能にします。
顕微鏡分析においてミナスジェライス州産グリーンプロポリスは、アレクリン(Baccharis dracunculifolia)の植物断片を含むという共通の特性を持ちます。植物解剖学により光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いた分析でも、その沈殿物に高頻度に含まれている植物断片は、アレクリンである事が確認された。
グリーンプロポリスには、アレクリン(Baccharis dracunculifolia)の表皮断片、腺毛、非腺毛が顕微鏡分析で90%以上の頻度で見られ、その他の樹脂分泌植物源は1%以下であった。
顕微鏡分析により、グリーンプロポリス中のアレクリン断片の腺毛は、アレクリン(Baccharis dracunculifolia)の茎頂の断片中に見られた腺毛と同じ腺毛という事が確認できます。
論文「ブラジル、ミナスジェライス州産プロポリスの植物起源」
1995年4月~2004年4月の10年間に、ミナスジェライス州内各地の養蜂場に設置した実験用蜂巣箱から、毎月200個のサンプルを集めて分析。プロポリスの植物起源同定方法では、まず養蜂場から半径3km以内で開花する植物を毎月定期的に採取し、それらを元に顕微鏡用スライドを作成してその花粉と分泌組織の構造を顕微鏡で定性的定量的に分析した。
出典:Apis Global社WEBサイト
又一方で、プ口ポリス沈殿中から得られる植物断片とその分泌組織とを、光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で比較観察を行なった。その結果、ミナスジエライス州プロポリスには、その花粉スペクトル範囲の中に、ユーカリ類やアレクリン(Baccharis dracunculifolia)が最大15%程度確認され、この値は他地域よりも高い値である。次にこれらの植物の解剖学的分析を行なった。
ミナスジェライス州産のブロポリス中には腺毛や非分泌毛、葉片などがみられるが、プロポリスの中にあった植物断片と、ユーカリ類・アレクリンの分泌組織構造との比較分析を行なった結果、プロポりス中の植物断片はアレクリンの組繊であると判明し、プ口ポリスはアレクリンが起源であると確認された。
アレクリン(学術名:Baccharis dracunculifolia)は現地語で”小さな箒”という意味で、実際にアレクリンの枝をまとめて箒として使用している。Baccharis(バカリス)属には500種類以上あるが、その殆どがブラジルの在来種である。アレクリンは雌雄異体の植物で雄花と雌花は形態的に異なっている。
多くの雌雄具体性植物では.利用できる資源の配分の遣いから、フラボノイドやフェノール化合物など炭素分子主体の防御システムに違いがでる。雌花は生殖に多くを費やす傾向があり、吸収した栄養成分の大部分を生殖器官の成熟に費やす。雌花では、フラボノイド、タンニンそのほかフエノール類等の炭素系代謝二次副産物をより多く生産し、そのため蜜蜂にとっても雌花の方がよリ多く訪れる対象となっている。
アレクリンは生命力の強い植物で、養分に乏しい荒廃した土地にも良く成育し、ブラジルでは裸地の植物遷移で最初にみられるパイオニア的植物でもある。比較的早生な植物で、発芽後ほぼ1年間で樹高1m程に成長し、3年後には樹高約3mほどの成木となり寿命を終える。自然の風で種を撤き散らすので常時自生し、アレクリンの樹林が絶えることはない。
蜜蜂が活発に動き回る収集活動の時間帯は、日中で暖かい午前10時~午後2時頃迄で、花粉を集めるためには雄花をよく訪れるが、樹脂を採取するためには雌花を訪れることになる。蜜蜂は新芽を切断して後ろ足のバスケットにつけて運ぶが、このアレクリンの新芽に含まれる葉緑素のためにプロポリスが緑色となる。ミナスジェライス州産の最高級のアレクリン系プロポリスが緑褐色を呈するのはこの理由による。
プロポリス商品案内
エランビタールプロポリス 30ml
商 品 | 新 価 格 (税込) |
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