ニンニクの健康効果

健康に良いとされている食材は山のようにありますが、中でも筆頭格といえるのは”ニンニク”でしょう。筆者も大好きで毎日の食卓ににんにくを使った料理が並ばない日はありません。そんな”ニンニク”ですが、その歴史と健康効果について見ていきましょう。

ニンニクの歴史

ニンニクは古代エジプトの昔から栽培されていました。約3000年前のピラミッドは、20年以上の歳月をかけ、炎天下の下で20万人の労働者達が築きました。にんにくがその労働者たちに与えられていた事や健康維持に利用されていた事などがパピルスには記されています。

エジプトから地中海を経て、ニンニクはギリシャに伝わり、医学の父ヒポクラテスは健康のために、ニンニクの積極的利用を唱えたと言います。日本にはインド、中国を経て、主に薬用として奈良時代に伝わりました。

1940年代にアメリカとスイスの学者によって「アリシン」という成分が発見され、ニンニクの持つ絶大な力が証明されるに至ったのです。

ガンのリスクを減らす野菜の頂点に

1990年アメリカの国立がん研究所(NCI)を中心に、野菜や果物の成分を科学的に解明するプロジェクト「デザイナーフーズ計画」では、当時約20億円の予算でフィトケミカルの研究が行われました。その後、その結果を約40種類の野菜、果物を重要度順に区分し、リスクを減らす野菜をピラミッド型にして発表しました。

その中でニンニクはもっとも重要な品目としてピラミッドの頂点に分類されており、健康食の王様も言えます。

ニンニクの5つの効果

1.疲労回復と滋養強壮

ニンニクに含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を促進し、エネルギーを作り出す働きを促進する。また、スコルジニンという成分は、身体の新陳代謝を促進する働きがある。デトックスにも効果あり。

2. 血流の改善

アリシンやスコルジニンには手足などの毛細血管を広げる働きがあり、血流を改善する。それにより、冷え性や高血圧の改善が期待できる。同時に、心筋梗塞や脳梗塞の予防にもなる。

3. 血液をサラサラにする

アリシンには血液中のコレステロール値を下げる働きがあり血流を改善する。動脈硬化の予防、生活習慣病の改善も期待できる。

4. 殺菌作用(免疫力強化)

ニンニクは天然の抗生物質でもあります。アリシンには強力な殺菌作用があることが知られていて、細菌だけでなくウィルスにも効果があると言われており、風邪などの感染症にも効果が期待できる。

5. 抗酸化作用(ガンの予防)

アリシンには、余分に発生した活性酸素を無害な物質に変える作用がある。ガンや生活習慣病などさまざまな病気の予防につながる。

食べ過ぎには注意

ニンニクは健康食ですが、だからといって食べ過ぎると下記のように身体に様々な害を及ぼします。理想的な一日の摂取量は、にんにく2片(10~15g)です。くれぐれも食べ過ぎには注意してください。

  • 強力な殺菌作用により胃腸内の細菌のバランスが崩れ環境が悪化する。下痢や便秘、腹痛などを引き起こす。また、ビタミンの吸収を妨げることにもなり、口内炎や肌荒れの原因ともなる。
  • 赤血球やヘモグロビンの減少を引き起こし、貧血になりやすくなる。

ニンニクの臭い対策

ニンニクは臭いも強烈です。朝や昼間に食べることはなるべく避けて、夜に食べるよう心がけてください。また、下記の対策で臭いは若干抑えられます。

  • ニンニクの芽を取り除く
  • 加熱する
  • 食前に牛乳を飲む