カレー・スパイスのウコン、関節炎リウマチを予防

ウコンにはずっと注目してきました。ウコンエキスは関節リウマチだけでなくさまざまな症状に効果があるようです。さらなる研究に期待しています。

ファンク 医師が率いるアリゾナ大学の研究員らが、動物実験でカレーのスパイスとして使用されている黄色染料であるウコンに関節リウマチを防止する効果があることを突きとめた。

古代ヒンズー教の医術アーユル・ベーダでは昔から炎症性の疾患にウコンが使用されてきた。またヨーロッパなででも、ウコンの抽出物が関節炎を含む種々の疾患を治療するサプリメントとして販売されている。しかし、そのメカニズムはっきりしなかった。

アリゾナ大学のチームは、以前ネズミの実験でウコンが関節炎の予防に効き目があることを発見しているが、今回の実験ではそのメカニズムを解明したのである。

まずファンク教授らは、ウコンのどの部分に効き目があるかを解明するために、ウコンの根茎から次の3つを抽出した。
1. ウコンの根茎すべてのエキス
2. 根茎の油脂のエキス
3. 根茎に含まれる油脂を除いたウコンの3つの主要エキス
以上の3つの中で3番目のエキスが関節リウマチの発生を抑える効果があることがわかった。

そのメカニズムは次の通りである。
NF-KBと呼ばれるたんぱく質が活発化すると、それが遺伝子に関与して、炎症をもたらすたんぱく質を増産させ、その結果、関節に炎症が起きる。ところが、ウコンのエキスは遺伝子のスイッチをつけたり、切ったりするときに働くたんぱく質を関節部分において機能しないようにする働きがあることがわかったのである。 

ファンク医師は、動物実験の結果からすぐに臨床的な応用が可能ということにはならないが、ウコンのどのエキスが効き目があるか、またそれがどのように炎症性疾患に作用するのか解明されたことで、今後の医薬品やサプリメントの開発につながると考えている。また、ウコンのエキスは関節リウマチだけでなく、ぜんそく、多発性硬化症、炎症性腸疾患、骨粗しょう症などにも効き目があると期待される、とも語っている。