1980年代より、各地で様々な研究がなされ、数々の研究成果が発表されているが、まだまだ未知の部分も多く、より高度な臨床医学的な研究成果の発表が待たれます。
プロポリス研究・情報サイト
サイト | 概要 |
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HEALTH NET MEDIA | 「代替医療」の大本命、健康食品やプロポリスを研究し、代替医療の正しい情報を世の中に広く知らしめていきます。 |
日本食品機能研究会 (JAFRA) | プロポリスに関する最新の研究や学術報告などが掲載されています。 最新の研究成果をチェックするのに大変便利です。 |
JASI(農学文献記事索引) | ミツバチやミツバチ生産品に関する研究では国内随一。 プロポリスについても研究論文が多数あります。[PDF] |
「健康食品」の安全性・有効性情報 | 「健康食品」の安全性・有効性情報 安全情報・危害情報 利用に関する基礎知識 話題の食品・成分の科学情報 「健康食品」の素材情報データベース |
国立がん情報センター | もしかして癌かな?と思ったら、まずはこのサイトにアクセス。さまざまな種類のがんの情報が、わかり易く客観的に書かれています。 |
プロポリス関連の学術発表など
年度 | 発表学会・掲載紙 | 発表者 | 内容 |
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1985 | 第30回 国際養蜂会議 | 持田俊二ら | (他、数編の発表) |
1991 | 第50回 日本癌学会 | 松野哲也 | 抗がん物質の抽出・精製 |
1992 | 第51回 日本癌学会 | 松野哲也 | 抗腫瘍性について |
1992 | 第13回 日本臨床薬学会 | 東京医科歯科大 | 抗炎症効果 |
1992 | 「医学と生物学」 | 新井成之ら | ラット急性胃潰瘍の防御作用 |
1992 | 「医学と生物学」 | 阿賀創ら | 抗菌作用 |
1993 | 第5回 日本BRM学会 | 守安純子ら | マクロファージに及ぼす作用 |
1993 | 第52回 日本癌学会 | 新井成之 | 大腸がんに対する効果 |
1993 | 「生薬学雑誌」 | 河井佐知子ら | マウスの毛再生促進作用 |
1993 | 「生薬学雑誌」 | 立藤智基ら | 抗ウィルス作用 |
1994 | 「ミツバチ科学」 | 池野久美子ら | ラットう蝕に対する効果 |
1994 | 第6回 日本BRM学会 | 守安純子ら | サイトカイン誘導能に対する影響 |
1994 | 第41回 日本生薬学会 | 鈴木郁功 | 水溶性画分の抗腫瘍効果 |
1994 | 第53回 日本癌学会 | 松野哲也 | 卵巣がん術後の補助効果 |
1994 | 「ミツバチ科学」 | 伊藤紀久夫ら | 抗ヘリコバクター・抗ピロリ活性 |
1994 | 「ミツバチ科学」 | 新井成之ら | マクロファージ活性化作用など |
1995 | 第12回 和漢医薬学会 | 鳥塚晶久 | 門脈血流に及ぼす影響 |
1995 | 第42回 日本生薬学会 | 伊藤紀久夫ら | ヒアルロニダーゼ阻害活性など |
1995 | 「日本医事新報」 | 木本哲夫ら | アルテピリンCの抗腫瘍効果 |
1995 | 「ミツバチ科学」 | 中野真之ら | 抗MRSA活性物質 |
1995 | 日本薬学会116年会 | 難波恒雄ら | 血糖上昇抑制作用 |
1996 | 「ミツバチ科学」 | 佐藤利夫ら | プロポリスの品質評価 |
2003 | 第38回 国際養蜂会議 | 恵良教授ら | プロポリスの抗酸化作用 |
2013 | 第40回 日本肝臓学会 | 小川智弘ら | プロポリスの肝臓保護作用 |
動画による解説
ブラジルにおけるグリーンプロポリスについて、またその効果・効能についてなどを動画で分かりやすく解説します。ブラジル、グローボ局制作。日本語字幕つき。
研究発表・プレスリリース
厚生労働省・研究班の「天然添加物の発がん性等に関する研究」(主任研究者:大阪市立大学大学院医学研究科・鰐渕英機教授)で、プロポリス抽出物、キダチアロエ抽出物、カテキンの3素材が、2年間にわたる発がん性試験の結果、いずれも「発がん性なし」と判断された。
先月末にまとまった厚労省・研究班の報告書で明らかにされた。プロポリス抽出物については、腫瘍発生減少や延命効果など有用性を示唆する結果も得られている。これら3つの素材は健康食品市場のなかでも定番素材として知られており、その安全性が国の研究で実証された意味は大きい。
健康産業新聞 2007/08/22奈良女子大学生活環境学部と山田養蜂場(岡山県鏡野町)の研究グループは、ラットを使った共同研究により、ブラジル産プロポリスに体脂肪低減作用や脂質代謝改善作用があることを確認し、このたび論文発表を行った(J.Food Sci.;74,5,H127-131,2009)。
プロポリスとは、蜂が草木から集めた樹液に唾を混ぜ、巣の入り口やすき間などに塗り固めたもの。抗菌作用や抗アレルギー作用など様々な作用があることが知られており、奈良女子大学らの研究グループも、過去にプロポリスの抗酸化作用を確認、論文を発表している。(J.Agric.Food Chemi.;48,5,1462-1465,2000)
第二弾となる今回の共同研究は、プロポリスが体脂肪や脂質代謝に及ぼす影響や、その作用機序を多面的に探るため、3つの試験方法で実施した。
まず、ラットを5~6匹ずつ(1)ブラジル産プロポリスを与えない群(対照群)、(2)低用量群(餌に0.05%のプロポリスを混ぜる)、(3)高用量群(0.5%のプロポリスを混ぜる)の3群に分けた。餌はラードを20%含む高脂肪食とし、8週間後に各組織の脂肪重量などを測定した。その結果、腸間膜脂肪、腎臓周りの脂肪、全白色脂肪で、高用量群の脂肪重量が有意に低下。また、血漿と肝臓におけるコレステロールと中性脂肪の濃度についても、高用量群でそれぞれ有意に減少した。
同じ3群で、脂肪の蓄積や代謝に関わる4種類の体内物質の量が、実験前後でどのように変化するかを測定。すると、脂肪細胞の増殖に関わるPPARγ、脂質をエネルギーに代えるPPARα、コレステロール合成に関わるHMG-CoA還元酵素の3種については高用量群で有意に改善し、脂肪酸の合成に関わるSREBP-1は、低用量群、高用量群ともに有意に改善した。
さらに、別の試験で、ラットを5~6匹ずつ、(1)プロポリスを与えない対照群、(2)低用量群(体重1kg当たりプロポリス42.5mg)、(3)高用量群(同425mg)の3群に分けた。12時間絶食させたあとにそれぞれの用量のプロポリスを与え、さらに30分後にオリーブ油を同5ml飲用させて0、2、4、6、8時間後に採血した。すると、2時間後の血中の中性脂肪の量は低用量群、高用量群ともに対照群に比べ有意に低くなり、高用量群では4時間後、6時間後、8時間後でも有意に低くなったことから、プロポリスが脂肪の吸収を阻害する作用があることも明らかになった。
「これはあくまでも動物実験の結果だが、ブラジル産プロポリスを摂取することで、脂質代謝が改善する可能性があることが示された」と、研究にあたった同大の小城勝相教授は話す。
日経ヘルス 09年8月26日山田養蜂場は、ブラジル産プロポリスが、季節性ならびに新型インフルエンザウイルスによるダメージから、細胞を保護することを細胞実験で確認したと発表した。
インフルエンザは、38℃を超える発熱と、長期にわたる頭痛、関節痛、全身の倦怠感などの強い全身性症状が突然発症する呼吸器系感染症のひとつ。日本国内では、毎年11月から翌年にかけての報告患者数が約数十万から百万人を超える季節性インフルエンザが流行する。しかし2009年度には、これまでヒトの間では感染していなかった新型インフルエンザが世界的に大流行。2009年の6月には、ヒトからヒトへの感染の流行が確認され、WHO(世界保健機関)は急激に感染が拡大している状況を表すフェーズ6を発令した。さらに季節性インフルエンザの流行が少ないとされる夏季をとおして感染者数を増加させ、今もなお感染報告が続いている。
そんな状況の中、同社は強い抗菌作用を持つことで知られているブラジル産プロポリスの、インフルエンザ予防効果を研究。プロポリスはこれまで、季節性インフルエンザに対する細胞への感染を抑制すること、さらにウイルス感染したマウスの死亡率を減少させることが報告されているが、新型インフルエンザに対する効果研究報告はほとんどされていなかった。今回の研究は、A型インフルエンザウイルス(H1N1:季節性インフルエンザ)および新型インフルエンザ(H1N1)への作用を調べるため、ブラジル産プロポリスの水抽出エキスとプロポリス含有液(プロポリスエキス、マヌカ蜂蜜、ローズバッツエキス、緑茶エキスなどを含む)を用いて実施。培養細胞に季節性または新型インフルエンザウイルスを加えると同時に、プロポリス水抽出エキスまたはプロポリス含有液を加え、3日間培養した後、生き残った細胞数を数えた。その結果、何も加えなかった培養細胞は全て死滅したのに対し、一定濃度以上のプロポリスを加えた培養細胞は、季節性および新型インフルエンザウイルスによる細胞の死滅を完全に抑制した。つまり、ブラジル産プロポリスの水抽出エキスおよびプロポリス含有液は、季節性・新型の両インフルエンザの予防に役立つ可能性があることを明らかにしたのだ。
インフルエンザ対策として、予防薬や抗インフルエンザ薬などが飛躍的に進歩を遂げているが、免疫力の低下している高齢者に多い肺炎や小児の脳炎・脳症などの合併症などにより、死に至る感染症であることも事実である。同社では今回の研究成果を元に、今後詳細なメカニズムやヒトへの影響について詳しく調べていく考えだ。
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES 2010年2月8日山田養蜂場は、ブラジル産プロポリスがスギ花粉症の予防に有効であるという同社の研究成果をもとに、その作用メカニズムを検証し、ブラジル産プロポリスが炎症関連物質の放出を抑えるというメカニズムを確認した。さらに、クリフォリンなどの桂皮酸誘導体や、ケンフェライド、ケンフェロールなどのフラボノイドが高い活性を持つことを明らかにした。
今やスギ花粉症は、日本人の10人に3人が発症しているといわれ、重大な国民病の1つである。治療薬には、くしゃみや鼻水、鼻づまりに有効とされる抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤、ステロイドが一般的であるが、生活の質を低下させたり、重い副作用をもたらす危険性が指摘されている。そこで同社では、古くから民間の伝承薬として使用されてきた、ブラジル産プロポリスの花粉症への効果を研究。2005年に花粉症状治療薬の使用を軽減することを、2006年には鼻づまりの予防に特に効果を発揮することを発表している。
今回の研究では、ブラジル産プロポリスの抗アレルギー作用に関して、そのメカニズムおよび、関与する成分を調べた。その結果、ブラジル産プロポリスが鼻づまりなどの、原因となるロイコトリエンの放出を抑えることがわかった。またその強い活性成分として、クリフォリン(桂皮酸誘導体)やケンフェライド(フラボノイド)が明らかとなった。つまり、ブラジル産プロポリスはスギ花粉症の予防や軽減に有効であるといえる。
ブラジル産プロポリスのような健康食品により、花粉症症状を軽減できることは、今後人々の生活において多大なメリットを生み出すと考えられる。同社は今後も、ブラジル産プロポリスが持つ様々な有効性の解明に取り組んでいく考えである。
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES 2010年2月19日山田養蜂場は、スギ花粉が飛散する前からブラジル産プロポリスを予防的に摂取することで、花粉飛散後の発症を遅らせ、鼻づまりの発症率を低下させることを、ヒト臨床試験にて確認した。
スギ花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみなど生活の質(QOL)を低下させる重大な国民病のひとつ。現在治療薬として主流となっているステロイドなどは、眠気や口内、眼の乾きなどの副作用が強く、生活の質を低下させる恐れがある。そのため、症状が発症する前の予防が重要といわれ、現在はマスクの着用や手洗い、うがいなどが主に行われている。また、近年では、甜茶や乳酸菌、紫蘇などの摂取による予防が注目を浴びつつある。これら食品の摂取により花粉症の症状を軽くすることが可能となれば、症状の予防にとどまらず、社会全体にとって大きな価値をもたらすことが期待される。
そこで、はちみつやプロポリスなどのミツバチ産品の有効性を解明する研究を行う同社では、プロポリスの予防的な長期摂取がどの程度花粉症の症状を軽くするかについて研究。長年に及ぶ研究の結果、その効果を解明し、日常的な摂取に対する安全性も確認してきた。今回は、2005年の結果をもとに、スギ花粉症の症状軽減作用を示すプロポリスの最適な摂取量について調べた。
今回の研究は、毎年治療を受けているスギ花粉症患者80名を対象に実施。無作為に分けた4群に、ブラジル産プロポリスを含む錠剤または、プロポリスを含まない錠剤をスギ花粉飛散前から各々12週間摂取させた後、プロポリスがスギ花粉症の症状をどの程度軽くするかを調べた。その結果、プロポリスを1日に300mg以上摂取した群の花粉症の発症を遅らせることができ、また、1日に450mg摂取した群では、8週間後および12週間後の鼻づまりの発症率を低下させることができた。
今回の研究から、1日300mg以上のプロポリスを花粉の飛散前から長期的に摂取することにより、花粉症の症状を軽減させることが判明した。同社では、今後も花粉症の症状軽減をはじめとする様々な疾患に対するブラジル産プロポリスの効果を解明し、社会に貢献していく考えだ。
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES 2010年3月12日今年も風邪やインフルエンザが流行する時期がやってきた。鼻水、鼻づまり、喉の痛みから始まり、頭痛や高熱が出て日常生活や仕事に支障をきたすようになる風邪を引くと、病院への通院や薬代などの治療費がかさみ、家計を圧迫するケースもある。事実、厚生労働省が発表した平成19年度国民医療費によると、風邪の治療にかかる医療費は4,000億円以上にものぼり、仕事の効率低下や欠勤、早退などの労働損失を含めると社会への影響は計り知れない。また、抵抗力が弱い小さな子どもや、体力の衰えが目立つ高齢者、薬に対してアレルギーや副作用を持つ人などにとっては、風邪ひとつとっても深刻な疾患ともいえる。これらから、各機関・企業では効果の高い新たな薬、副作用の少ない薬の開発のほか、自然のものを活用した治療法などの研究が進められている。
このような研究を行う企業の取組み例のひとつとして、岡山県に本社をおく山田養蜂場のブラジル産プロポリスを使用した研究が挙げられる。同社はこのたび、ブラジル産プロポリスの継続飲用が風邪の治りを早めることを、ヒトによる試験で明らかにした。ハチミツやプロポリスなどのミツバチ産品の販売を行う同社では、ブラジル産プロポリス製品を使用する顧客より「風邪をひきにくくなった」という声が、近年多く寄せられるようになったという。そこで、ヒトの風邪症状に対するプロポリスの有効性に着目し研究を開始した。
今回は、20歳から70歳までの成人男女59名を30名と29名の2グループに分け、一方には450mgのブラジル産プロポリスエキスを含むソフトカプセルを、もう一方にはプロポリスエキスを含まないソフトカプセル(プラセボ)を60日間継続して飲用させ、日誌によるアンケート調査を実施した。試験期間中、被験者は毎日風邪の自覚症状の有無を日誌に記入。また、自覚症状がある場合に限り、軽症から重症まで5段階に分けた自覚症状スコアを明記させた。そしてアンケートを元に、風邪が治るまでの日数と、風邪の自覚症状を示すスコア合計の中央値(スコアを大きさの順に並べた時に、中央に位置するスコア)を、プロポリスを飲用したグループと飲用していないグループで比較した。その結果、風邪が治るまでの日数は、ブラジル産プロポリスを飲用したグループでは平均2.0日、プラセボを飲用したグループでは3.2日となった。また、風邪の自覚症状である体のだるさを示すスコアもプロポリス群が圧倒的に小さいことが証明された。つまり、ブラジル産プロポリスの継続的な飲用は、体のだるさを軽減すると共に、風邪の治りを早めるといえる。これを利用すれば、風邪が流行する時期や地域において、生活の質の向上を図ることが可能となるといえるだろう。
毎年訪れる風邪やインフルエンザの流行。年々新薬や民間療法などの開発が行われているが、予防の重要性は変わらない。同社のようにその重要性に着目し、研究を行う企業から発表される結果が今後、新たな予防法を確立する一手となるのかもしれない。
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES 2011年1月29日九州大学大学院歯学研究院の武洲准教授と倪軍軍助教の研究グループは中国青海省人民病院との共同研究において、ブラジル産プロポリスがチベット高原に住む健常な高齢者の認知機能低下ならびに全身性炎症の改善効果をもたらすことを明らかにしました。
研究グループでは、ミツバチの産物であるプロポリスが炎症性因子産生を抑制すること、酸化ストレスによる神経細胞障害を保護することを近年の研究により見出しており、低酸素環境に住む高齢者の認知機能は著しく低下することから、チベット高原(海抜2,300メトール以上)において効果の検証を行が行われました。
チベット高原に住む平均72.8歳の高齢者60名に対し、プロポリスとブラセボを2群に分けて経口投与し、認識機能(MMSEを用いた)と全身性炎症を評価。結果として、「アジア系高齢者における全身性炎症の悪化に伴い認識機能が低下すること」、「プロポリス(12ヶ月以上)の摂取は全身性炎症を低下させるとともに認知低下を防ぐこと」が確認されました。
プレスリリース 2018年4月20日プロポリス・健康食品の社会学的考察
プロポリスを含め健康食品や代替医療を判断する際の指針ともなるような内容であり、一読をおすすめします。
※全文はこちら →「メディア仕掛けの民間医療」
近年、薬事法違反などでアガリクス、プロポリスをはじめとする健康食品販売業者らが摘発される例が増えてきた。それは何故なのか。また、何故そうなるのか。
社会学者、野村氏は、メディア上に展開された健康言説空間の構造について知識社会学的に分析し、論文「メディア仕掛けの民間医療」を発表。民間医療の代表としてプロポリスを取り上げ、正規医療との関係、消費者との関係においてメディアに「プロポリス言説圏」が出来上がると主張。プロポリスが日本において消費者の間に広まってゆく過程、その間にメディア上に展開されたさまざまな言説などを客観的(批判的な)な視点から知ることができる。以下は目次と抜粋。
【目次】
1.メディア仕掛けの健康言説
2.健康食品の二重に自由な言説圏
3.プロポリスをめぐる〈解釈の社会集団〉
4.プロポリス言説圏の社会的構築過程
5.制度的立場からの逆襲
6.信頼と不信の重層構造『プロポリスは数ある健康食品の中でもかなり医療的世界に近いところで語られているものである。プロポリスはローヤルゼリーなどミツバチ生産物のひとつで、日本では蜂やにと呼ばれていたもので、それをアルコールなどで抽出して飲用したり塗布したりする。ルーマニアなど主に東欧の民間療法でよく使われている。しかもプロポリスはごく最近再発見された新しい健康食品であり、しかも「ガンに効く」という学会報告がつけられたものでもある。健康食品業界では「切れがいい」と言われる。それだけに問題を指摘する人たちもでているが、最近はアピセラピー(apitherapy)※として位置づけられつつあるようだ。』
『規制は自由と合わせ鏡になっている。あることを禁止することは、禁止されたもの以外に許可を与えていることになる。広告の厳しい規制は、プロポリスの場合、逆説的な自由をもたらしていると言えそうだ。それは二重の自由である。第一に「プロポリスは医薬品でなく食品である」という自由。医薬品として語ることはできないが、食品として語る分には相当な自由が確保できる。第二に、研究・書籍・報道のように、それがプロポリスそのものの広告でないかぎり、どんな言説も規制されないという自由である。この二重の自由こそが膨大なプロポリス言説圏を構築可能にさせている。』
『ひとたびプロポリス言説圏に入った人がどのような言説に遭遇することになるのか。』
『第一に、それは徹底した自己中心性の言説である。他の民間医療や健康食品については言及しない。と同時に他の健康食品を批判する言説もまたほとんどない。禁欲的なまでの自己完結性と言っていいかもしれない。』
『第二に、それは実証への強い意志に満ちた言説である。プロポリスの場合、癒しという曖昧なものではなく、基本的には自然科学的実証性がめざされている。しかし、じっさいには業者が実証する手だてをもたないために、結局、体験の重みに依存せざるを得ない現実がある。もっぱら「自分でじっさいに試してみろ」という原始的な説明モデルである。それゆえに、一方では難問としての「ガンの治癒」を謳うとともに、他方で「何でも効く」と万能な薬効を謳うことが可能なのである。この説明モデルの問題点は、俗流化された科学的実証性の観念に寄生しながら、真正の科学的実証性でないことにあるのではなく、むしろ、いくらでも「あとづけの解釈」が構築できる点にある。プロポリス解説書には夥しい数の体験談が掲載されているが、「思えば、あれがそうだったのか」といった「あとづけの解釈」がなされるパターンが多い。じつはこの「あとづけの解釈」そのものがクライアントの「納得」を支えている。』
『第三に、環境的言説とのリンクが過剰になされている、開放的な言説である。天然の物質であることが終始繰り返され、民間薬(薬・薬効)としての歴史性と伝統が強調される。フィトンチッドによる森林効果的癒しのあることも付随的に指摘される。自然治癒力を軸にした代替医療との親和性ある説明もおこなわれる。近代医療批判も厳しい。』
『民間医療の多くのクライアントは宙ぶらりん状態におかれているのが実態なのである。その過程において一時的に信頼を担保するのがメディア言説である。つまり、正規医療の場合は専門家言説によって最初から容易に信頼を確保できるのに対して、民間医療はそれができない。メディア上に無数の解説と体験談を用意して、模範となるべき経過モデルを提示し続けなければ、クライアントの信頼を維持することがむずかしい。いきおい言説は過剰になる。』
『正規医療と民間医療――「メディア仕掛け」である点では、両者とも似たようなものである。しかし、正規医療においては公衆衛生やヘルス・プロモーションの名のもとに「メディア仕掛け」であることが正当化されているのに対し(税金も大量に投入される)、民間医療の「メディア仕掛け」の方は、「いかにもいかがわしいこと」に位置づけられてしまっている。しかし、私たちが見なければならないのは、いずれの領域であれ、健康言説はメディア媒介的に自己成就する仕掛けになっているということであって、その意味では「メディア仕掛けの民間医療」のいかがわしさは、「メディア仕掛けの正規医療」のいかがわしさでもあるのだ。』
メディア仕掛けの民間医療より
プロポリス商品案内
エランビタールプロポリス 30ml
商 品 | 新 価 格 (税込) |
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単品 | ¥3,900 |
3個セット | |
5個セット | |
10個セット | |
25個セット |
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